よくあるご質問

レトルト食品について

電子レンジで調理する際の注意点は?

●一般的なレトルトパウチ食品の調理方法を見ると、必ず「そのままでは電子レンジで加熱せず、深めの容器に中身を移し替えて、ラップをして加熱して下さい。」との表示書きがあります。なぜかというと、従来のレトルトパウチはフィルム構成の中に「アルミ」を含んでいます。「アルミ」はマイクロ波を透過させず、吸収するため、中身が温まらないのです。

また、「アルミ」はマイクロ波を吸収してスパークする(火花を発する)場合もあり危険なため、容器への移し替えが必要となっています。そのため、弊社製品を含め、レンジ調理対応のパウチは「アルミ」を含んでいません。ただし、「アルミ」がないと、光や酸素を通しやすく、品質劣化速度は速くなるため、レンジ調理用パウチを使用した製品は賞味期限が通常のレトルトパウチ入り食品に比べ短く設定されています。

レトルト食品の表示の基準は?

★レトルトパウチ入り食品の表示内容は、食品衛生法の他、JAS法に関連する「加工食品品質表示基準」に定められています。

○JAS法上は「名称」「原材料名」「内容量」「賞味期限」「保存方法」「製造業者等の氏名または名称及び住所」の表示が義務付けられています。(表示免除の場合もあり)
○食品衛生法上は「名称」「賞味期限」「保存方法」「製造業者等の氏名または名称及び住所」のほか、「添加物」「アレルギー」「殺菌方法」の表示が義務付けられています。
⇒「レトルトパウチ入り食品」に特有な項目は「殺菌方法」です。「気密性容器に密封し、加圧加熱殺菌」という文言がよく使用されています。

レトルトに向くものと、向かないものがあるのでしょうか?

レトルト殺菌の性格上、メニューや素材の、レトルトに対する向き・不向きがあります。例えば、カレーやシチュー等の「煮込み系」メニューは向いています。逆に「炒め物、焼きもの」「和風」「白物製品」「緑黄色野菜」は苦手です。いずれも密封高温加熱により、食感や香り、色が変化(劣化)するためです。ただし、原料加工技術や製法の技術革新により、品質は徐々に向上してきており、白いホワイトソースなど高品質の製品も見られます。

いままでお話しいたしましたように、レトルト殺菌は、パウチや容器に入れた食品を密封後高温加熱して食中毒の原因となる有害な細菌を殺し、安全性、保存性を持たせています。薬品や有害な添加物は一切使用しておりませんので、安心してお召し上がりください。

「レトルト食品」とはどのようなものですか?

●「JAS法」(農水省関連)上の定義によると、(レトルトパウチ食品品質表示基準)「プラスチックフィルムもしくは金属箔又はこれを多層に合わせたものを袋状その他の形状に成型した容器(気密性及び遮光性を有するものに限る。)に調製した食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧加熱殺菌したものをいう。」→「レトルトパウチ食品」

●「食品衛生法」(厚労省関連)上の定義によると、(食品・添加物の規格基準)「食品(清涼飲料水、食肉製品、鯨肉製品及び魚肉練り製品を除く)を気密性のある容器包装に入れ、密封した後、加圧加熱殺菌したものをいう。」→「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」すなわち、「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」のうち、遮光性のある容器に詰められた食品が「レトルトパウチ食品」ということになります。

レトルトの殺菌について教えてください。

レトルト殺菌の「レトルト」とは、もともと高圧釜の意味です。家庭の調理器具でいえば、「圧力なべ」のようなものです。通常の加熱では水蒸気やお湯は100℃までが限界ですが、レトルト釜は圧力を加えることにより、より高温での加熱処理が可能となります。

現在、市場に出回っているレトルト食品は、内容物をパウチ(袋)や容器に詰め、密封シールした後、食品衛生法で定められた、「中心温度120℃4分相当以上」の加熱処理を行っています。(一部pHの低い製品は例外となります)。レトルト殺菌は見方を変えればハードな「煮込み」ともいえます。

レトルトの加熱時間について教えてください。

加熱処理のターゲットである細菌が死滅するために必要な加熱時間は、温度が高くなるにつれて対数的に減少することが知られています。例えば10℃上昇に伴い、死滅速度が10倍になるとすると、20℃上昇すれば100倍になります。この細菌の性質と内容物の品質の熱ダメージを考慮して、レトルト殺菌の適切な温度・時間を設定します。

例えば、内容物の加熱時間が長いほど品質のダメージを受けやすい場合は、120℃より高い温度での短時間殺菌を選択したり、内容物がある温度以上になるとダメージを受けやすい場合は、120℃より低い温度での長時間殺菌を選択したりします。(いずれも120℃4分相当以上換算の加熱をします)